GT380 2スト オイルラインOH&長期不動車ウォーターハンマーの罠
2stオイルラインのオーバーホール
長期不動のサンパチは2ストローク!
始動させるなら必ずチェックしないといけない重要部分です。
まずはオイルタンクから!
純正赤オイルを抜いてタンク本体取り外し洗浄。
キャップが割れていたので交換!
オイル窓のレベルゲージは漏れてないがゴムの劣化もあるので交換。
オイルタンクからポンプに繋がってるオイルホースも交換します。
ここの部分は廃盤なのでGT550のもので注文しました。
オイルポンプ
本体のガスケットは外品でオーバーホール
オイルポンプの調整はレバーのみでアイドル時の出る量は調整出来ないタイプなので
どうしても細かな調整は難しいようです!
やはり白煙は多い構造だと判りました。
ポンプからエンジンへつながるホース
このホースはもう欠品みたいなので折れるとそのまま不動状態となるので慎重に作業します。
繋がっている6本のボルトとガスケットは交換して再取り付け。
これで2STオイルラインは完璧。
問題はエンジン内部、長期不動の2ストエンジンは必ずシリンダー内に錆が出てしまいます。
そこでUSBワイヤーカメラの出番!
さすがに40年の不動車は駄目だろうと思いながらインテーク・排気ポートから目視で確認するもまったく錆が見えない。
しかし、中にカメラを入れてみたら・・・
はい、有りました。
左シリンダー内に錆とクランクケース内に何か液体が写っているのが見えます。
なんだこれは???
2ストオイル?
2ストタンクから長年掛けて流れ込んで溜まっているようです。
USBカメラで点検した結果。
- 左 シリンダー 少し錆あり・クランク室に2ストオイル溜まりあり。
- 中央シリンダー 錆なし・クランク室にオイル溜まりなし。
- 右 シリンダー 錆なし・クランク室に2ストオイル溜まりあり
長期不動の2stエンジンの宿命!
4ストみたいにオイルに満たされないのでクランクに錆が出てベアリングが駄目になります。
しかし、このエンジンなら左シリンダーに錆はあるが再始動は可能と判断しました。
もし駄目なら分解だ~
サンパチは長期不動であったので、オイルがクランク室に流れ錆から守ってくれたようです。
構造的に駄目なことがいい方向でエンジンを保護したようだ!
次にエンジン内部を確認したのでクランク室内のオイル摘出です。
燃料ホースに注射器を繋いで吸い上げてやりました。
左シリンダーから2本分、右シリンダーから1本分出ました。
これでクランク室内のオイル摘出は完了。
もし、これをやらずにエンジンを始動していたらウォーターハンマー現象でコンロッドが曲がってしまうところでした。
後でわかったのですがクランク室に溜まるオイルは排出できるようにロアケースに排出用のドレンがあったので次回からはここで抜くようにします。
またひとつ問題が解消しました。
GT380 バッテリー交換でお目覚め!
こんばんは
サンパチくんが40年?ぶりにお目覚めです~
キャブやブレーキなどは進めてましたがまだ電装系のチェックはまだしていませんでした。
シートを横に開くと一番に見える所にバッテリーはあります。
取り出すと古いバッテリーが!
う~ん、これは新車で載っていた純正バッテリーなのか?
表記が古いし液のドレンパイプも交換していないようですが恐らく新車で載っていたものかと思います。
オーナーが新車で買って一度も車検を受けてないとの話なので・・・
電装系はほとんど新しいバッテリーを繋げればチェックできるがダイナモのブラシだけはカバーを開けなくてはいけません。
ブラシの状態は良好なのでカバーを閉じます。
バッテリー交換しメインスイッチON!
長い眠りからのお目覚めです。
球切れもなくウインカー・ホーン・ランプ類は全て点灯!
ギヤーポジションのインジゲーターは最初は表示しなかったのですがシフトを小刻みに動かすことで各接点が動通したので1~6速までの表示は何とかするようになりました。
3速の表示はまだ着いたり消えたりしますがまあ、OKでしょう!
GT380 B4はハイビームの表示灯が赤色で点灯し青くないので斬新な感じがします。
お目覚めついでに全体をウエスで拭いてやりましたが当時の単車はメッキパーツが多いのですぐ綺麗に見えます。
なんだか、古い単車はかっこいいよなぁ~
GT380 フロントブレーキ OH
サンパチ君のブレーキは引き上げ当初よりレバーは固着して中のブレーキオイルは蒸発し錆びと粉になっていました。
サンパチを復活させるにも狭いガレージでの整備はブレーキが効かないのは都合が悪いのでブレーキのフルオーバーホールを開始。
フロントブレーキ
☆Fキャリパー
当時のままのオリジナル
分解前
キャリパーを分解しゴム類は当然交換します。
やっぱりというか当たり前かもしれないピストンに錆びがあったのでピストンキットを注文しなければダメでした。高い1万超(59100-18831ピストンセツト¥10908)
☆ブレーキホース
スズキの部品供給の良さは最高!
いまだに純正部品は手に入ります。
当時の3分割のホースですがやはりお値段は半端無いこれだけで2万弱の札が飛ぶ!
ホースを繋ぎ合わせた上側が新品
下側がオリジナルの45年ものです。
ばっちりオリジナルと変わりなし。
☆ブレーキマスター
固着はしているが見た目は綺麗なマスターでしたが中のシリンダーは腐食して虫食い状態です。
思い切って新品のインナーキットを購入(59600-18824 ピストン/カップセット¥4752)
組み付けてブレーキオイルを入れてレバーを握っても洩れることもなく何とかマスターシリンダーも当時のままの概観で復活。
リヤブレーキはブレーキスイッチみの交換で終了。
前後のパッドは車検を受けて走れるようになってから交換するとしてブレーキも完全復活!
まだまだ直す所は盛り沢山!
GT380 キャブレターOH
こんにちは
去年の9月にサンパチ君をガレージに持って帰ってから作業をしていたのですが以前みたい素早く作業をしていないので時間は掛かっていましたが完成の目処がついたのでupしてみました。
2018年9月~10月にキャブレターの分解整備を一ヵ月掛けてやっていました。
約40年近く動いていないキャブは凄かった。
☆エアクリーナー
まずはエアクリーナーを外して中を確認するとスポンジのフィルターが2個入っていました。
形はあったが当然、古いので触ると感覚が感じれない程、簡単に崩壊!
エアクリーナーは清掃してフィルター交換で大丈夫そう。
☆キャブレター
- キャブは各部のホースが硬化して抜けない。
- スライドバルブは3箇所ともに激しく固着。
- フロートチャンバーは叩いても外れない。
キャブクリーナーを表面にかけて固着を解消しようとしたが無理なので20Lペール缶の中に灯油を入れて1週間、灯油に漬けこみしてフロートチャンバーは2個開きました。
それでも真中のチャンバーは外れなくて結局、みえているガスケットを少しづつ削りマイナスドライバーでほじって無事開放。
真黒で汚い!
この状態でキャブクリーナーをかけてみたがまったく変化なし。
分解出来るところまで分解してみましたが固着は激しいので
諦めてまた灯油に1週間つけ置き。
また、一週間経ってから取り出すとスライドバルブは緩み全て外れました。
しかし、キャブの中は相変わらずなのでドライバーでコリコリ削り落としましたが表面はガラス質の汚れになっていたようでぱりぱりと割れてはがれました。
でも、これではまったく綺麗にならなので新たにケミカルを購入。
CRCのエンジンコンディショナーでサランラップして20分ほど置くとやっとパーツクリーナーで洗い流せるようになり清掃できました。
でも、ジェット類の固着は激しい状態でパイロットジェット2個抜けません。
マイナスの入る部分が全てダメになりもう、回せない状態になってしまったのでパイロットジェットにドリルで2mmの穴を開けて2mmの6角レンチを押し込んでしっかりホールドさせてからゆっくり回したら緩んで取り出し成功!
全て分解出来たのでもう一度エンジンコンディショナーでサランラップを巻いて汚れを綺麗に落とし組み立て!
フロート・ジェット類など全て新品に交換し激しい固着のキャブは生まれ変わりました。
ホース・ゴム類も交換し完成です。
スズキの名車 GT380 B4 1974y ワンオーナー バーン・ファインド(Barn Find)!?
こんにちは、
またしてもブログの更新が途絶えていつもの事になってしまいました!
今回は過去の話なんですが最近やっと自宅に引き上げが出来たので記事にしようとおもいました。
4・5年前の話ですが会社のツーリング仲間で同僚のおじさんがGT380を持っていると話を聞いて「ふん~」と思っていただけでした。
GT380をあまり知らなかったが「サンパチ」という愛称だけはすぐにわかった。
想像するだけですぐにスズキの名車だとわかるがほとんど興味の無い時代のバイク(族車のイメージ)でしかなかったからです。
それから2年が過ぎまた同僚から法事でおじさんに会ってGT380の話を聞いたと話していた。
その時にまた会ったら「もし、いらなかったら売ってと話をしといてよ」と軽くお願いしときました。
そして数ヶ月が過ぎてから同僚から「サンパチよかった持って帰ってええよ!」との返事が
「え!ほんまにええのん?」
と聞き返しましたが同僚もどんな状態なのかは不明で判っている事は書類無しとのこと。
完全なジャンク車両ということだけしかわからない。
でも名車サンパチなんで2016年10月22日に日程を合わせて引き取り!
和歌山県橋本市に同僚とサンパチを引き取りに出かけ最初に見た状態ですが
耕運機のフロントウエイトが右マフラー上にのっかっている状態で鎮座。
前後タイヤの空気は抜けぺったんこ、農具のローリータンクやエンジン動力噴霧器様々な農業機械の一番奥にあったので三人で引きずり出して自転車の空気入れでエアーを張った状態です。
想像していたのは倉庫の中で錆錆でタンクも無い状態をイメージしていたのであまりの綺麗さに驚きでした。
おじさんといっても昭和20年生まれといっていたのでいいお年で、お話を聴くと若い時にお兄さんがスズキで働いていたそうで兄から新車で購入。
しばらく乗って最初の車検が切れてから検査を受けずに新車からここに置いてあったそうです。
「こいつで転んでないからなぁ~」と一言いい、よくみると錆や埃以外の傷はなく経年劣化でくすんでるだけでした。
大阪府に住んでいた時に購入し盗まれるかもしれないからここに保管し新車からずーと倉庫で保管していたのでかなり状態の良いサンパチ!
欠品はミラーだけ(息子さんが外して持っていった)
それ以外、追加でホーンを着けてる以外フルノーマルでした。
書類は兄に一時抹消を頼んでそれからどうだか覚えてないですがワンオーナーは間違いないとのこと。
一応、委任状などを書いてもらいましたが登録した時の住所まで覚えていらっしゃったので書類の起しは簡単に出来そうとこの時は思いました・・・
なぜ乗らなくなったんですかとたずねたら「冬はさぶいやろ~」といっていました。
最後に直して乗ってくれとお願いされました。
しかし、すぐに直せない理由があって先日までバイク仲間のガレージに置いて貰わせていたのですが流石に手をつけないと先に進まないので2018/9/15自宅ガレージに持って帰ってきました。
大事に保管していたので半端なくワックスが全体に掛かっていたのでたまに手入れしていたと思われます。
復活に向けて整備を始めたばかりですがこれからサンパチの修理をあげていきます。
書類の復活は細かく記載できませんが方法はあるので出来るか心配ですがとりあえず磨いて車検を通る状態にします。
ZXR400R M4 エンジン不調の原因調査 FCRリセッティング
こんにちは
前回は的外れなピストン交換でお金を使ってしまいましたが今回はリセッティング。
ガレージで何回もタンクを外し点滴でエンジンをかけて調整してみました。
サービスマニュアルどうりのセッティングでは急開でエンジンがストールしていたが今回で少しマシになりました。
※ このZXR400Rはフルノーマルでキャブセッティングデーターはサービスマニュアルどうりで話をしています。
スロージェット(パイロットスクリュー) 標準#42(2回1/4戻し)→#45(1回1/2戻し)
エンジンの始動は悪くなったがアクセル急開でのストールはかなり改善しましたがまだダメ!
二ードルジェット
段を標準より一段上げて濃くしてみて症状は少し悪くなったが二段上げるとさらに悪くなる。
結局もとの位置でサービスマニュアルどうり。
エアースクリュー
純正FCRにはエアースクリューは付いていないのでオプションで固定式からスクリュー式に交換!
アイドル調整で1500~2000rpmでぐずって2000rpmを超えて調整できないので標準の1回戻し
今のところ
エンジン回転数が1500~2000rpmのでキープでぐずる。
ずいぶん良くなったが走り出しで急加速&低速から急開でエンジンがストールをはじめる。
通常&高回転状態で走るのであれば問題なし!
さすがにもう限界です。
空燃費計やダイナジェットのような設備がほしいと思いましたがプライベートで持つことは出来ないのでここから先は専門ショップでセッティングしてもらうほうが時間短縮で効率的と考えました。
ZXR400Rのような小さな排気量ではセッティングは繊細なようでやはり経験と専門知識が必要なのでプロショップに任せるのが良いと思いました。
ZXR400R M4 エンジン不調の原因調査 ピストン交換編
以前から細々とやってるZXR400Rの不具合調査!
なかなか有効な改善点など見つからず結局燃料コックからインテークマニホールドまで全て新品に交換してもダメだったのでエンジンが怪しいと思いピストン交換をやってしまいました。
当初は持って帰ってきて圧縮は計ってたけど 9.8 9.6 9.6 9.4とまあ、問題なさそうでしたがMAX12.1なので経年劣化もあるからピストンリング交換ついでにピストンとピストンピンも交換しました。
交換部品
いつもどうりキャブレターを外しますがいつもやるのはここまでですが今日は腰上分解なのでヘッド&シリンダーまでやります。
カムホルダーやカムを取り外しヘッドボルトを緩めます。
ヘッドは簡単に外れてしまいピストンがみえました。
この時点で問題はなさそうな感じが判ってしまっのですが後に引けません。
清掃ついでにバルブ周りのチェックと漏れを確認。
特に問題なし!
ピストンの重さ確認4個とも112gでばっちりでした。
シリンダーゲージで確認するも各気筒問題なし。
結局、ピストンとリングを交換してまったく問題のないことを確認しただけになってしまいましたが疑惑が完全に晴れてエンジンに問題のないことが確認出来ました。
やはり、不具合の原因は単なる経年劣化によりサービスマニュアルどうりのセッティングでは合わなくなっているようです。
この先は経験と専門知識が必要とされる泥沼地獄と言う事がわかったピストン交換でした。
はぁーーー
ため息が深いです。
でも、圧縮は期待どうり上がってました!